壊せない距離
いつも通り凛と昼食をとるために、着いて来た鈴原と共に社食へ来たけれど、ちょうど同時に凛からメッセージが届いた。

『ごめん、ちょっと会議を抜けられそうにない。』と。

人事部ではこの時期から来年度の異動の会議が行われていることは知っていたけれど、まだあと3か月もあるのに大変だなあと思いながら、鈴原と二人で椅子に座った。

「そういえば、最近蒼と会ってるか？」

うどんをすすっていると、突然蒼の名前を持ち出され、少しむせてしまう。

「なに、急に。会ってないけど。」
「珍しいな。どれくらい会ってないんだ？」
「さあ、3週間くらいじゃない。」
「となると、やっぱり原因は水瀬か。なんかあった？」
「…どういうこと。」

会っていない私が、蒼に何が出来るっていうんだろう。
鈴原の言葉を適当に交わしながら、うどんをすすっていく。

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