壊せない距離
最寄り駅についたのは夕方17時過ぎ。
久しぶりに長時間乗り物に乗っていたから、思った以上に疲れた。
通勤くらいの電車なら酔わないけれど、新幹線は思った以上に振動があったようで乗り物酔いをしたみたいだ。
それならまだ飛行機の方が乗っている時間は短いし、楽かもしれない。
自宅のマンション前について「次いくときは飛行機にしてみるかな」と独り言をつぶやいたとき。
「次はどこに行くの。」
はっとして声の主を見上げる。
「蒼…」
「昨日職場にいないと思ったら、有休とってたんだって。どこに行ってたの。」
久しぶりに見る蒼は、うす暗い明かりの下でも分かるほど疲れている様子だった。元々細身なのに、前以上に痩せたように見える。
土曜日だと言うのにスーツを着ているあたり、休日出勤していたのだろう。
それにしても、タイミングが悪すぎる。どうしてこうもマンションの前で鉢合わせばかり。
蒼にも内緒で出かけてしまったからばつが悪い。
「…ちょっと遊びに行ってたの。3月までにあと3日有休消化しなきゃいけなかったのに、できてなかったから。」
蒼から視線をそらして曖昧な返事をする。
久しぶりに長時間乗り物に乗っていたから、思った以上に疲れた。
通勤くらいの電車なら酔わないけれど、新幹線は思った以上に振動があったようで乗り物酔いをしたみたいだ。
それならまだ飛行機の方が乗っている時間は短いし、楽かもしれない。
自宅のマンション前について「次いくときは飛行機にしてみるかな」と独り言をつぶやいたとき。
「次はどこに行くの。」
はっとして声の主を見上げる。
「蒼…」
「昨日職場にいないと思ったら、有休とってたんだって。どこに行ってたの。」
久しぶりに見る蒼は、うす暗い明かりの下でも分かるほど疲れている様子だった。元々細身なのに、前以上に痩せたように見える。
土曜日だと言うのにスーツを着ているあたり、休日出勤していたのだろう。
それにしても、タイミングが悪すぎる。どうしてこうもマンションの前で鉢合わせばかり。
蒼にも内緒で出かけてしまったからばつが悪い。
「…ちょっと遊びに行ってたの。3月までにあと3日有休消化しなきゃいけなかったのに、できてなかったから。」
蒼から視線をそらして曖昧な返事をする。