ねえ、知ってる?【下】
「繋いどくだけだから良いだろ。これで寝れる? もう泣くの我慢すんなよ」
「うん・・・・・・」
「おやすみ、苗」
「おやすみ・・・」
私は大和くんの手を強く握ったまま眠りについた。
部屋はクーラーが効いているはずなのに、全身が熱かった。
大和くんの優しさを感じて泣きそうになった。
耳元で大和くんの寝息を感じてドキドキしたけど、疲れていたせいですぐに眠れた。
私たちの目が覚めたのは七時間後だった。
夏休み中はずっと九時に起きていたので、かけていたアラームの音に起こされてしまった。
「んん・・・・・・おはよ、苗」
すぐ隣にいた大和くんは、布団をかぶっていなかった。