ねえ、知ってる?【下】



「・・・・・・お母さん帰って来るよ」


「あのね・・・・・・!!」


「うん」


 顔を上げて勇気を出して声を出した。


 言いたい。


 聞いて欲しい。


 もっと大和くんの近くに行きたい。


 もっともっと色んな思い出を作りたい。


 私の彼氏になって欲しい。


 ねえ、知ってる?


 私はもうこんなに大和くんに夢中になってしまってるんだよ。


 前までは雅暉さんのことが好きで、相談をするのはほとんどいつも大和くんで、私をいつも助けてくれるのも大和くんだった。


 ずっとそばにいてくれた。


 いつからかこんなに大好きになった。


 少し意地悪なところも、時々甘くて優しいところも。


 ねえ、知ってる?


 大和くんの大事さにやっと気付いたよ。

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