ねえ、知ってる?【下】
ゆっくり呼吸を整える。
胸の中で膨らんでいく、大事な大和くんへの思いを精一杯言葉にのせる。
「好き・・・・・・・・・」
蚊の鳴くような弱々しい声だった。
大和くんに、ちゃんと聞こえたかな。
恥ずかしくて言い終わってからうつむいてしまったので、大和くんがどんな反応をしているのかわからない。
周りの人の声がチラホラと聞こえてくる。
大和くんは何も答えてくれなかった。
怖くなって顔を上げた。
「ちょ、見るな・・・! 下向いてて」
「え・・・??」
大和くんは慌てて顔を背けた。