ねえ、知ってる?【下】
なんて幸せなんだろう。
とても平和な世界。
好きな人と一緒にいると、こんな気持ちになれるんだ。
雅暉さんの時には知れなかったことも、これからはたくさん知っていける気がする。
大和くんは私に色々なことを教えてくれる。
ありがとう。
本当にありがとう。
私たちは手を繋ぎ合って駅に向かった。
大和くんと手を繋いで歩くと、余計に距離が短く感じる。
「じゃあ、また学校でね・・・?」
「うん・・・・・・・・・」
大和くんは、自分の乗る線とは別なのに、私の駅のホームまで送ってくれた。
「大和くん・・・? どうしたの」
さっきからずっと下を向いていて、何を考えているのか読めなかった。