ねえ、知ってる?【下】



 先生にLINEをして近くまで会いに行った。


『先生のことが好き』


 そう伝えると、先生は笑ってうなずいてくれた。


『また先生とデートしたい』 


 ガキだった俺は、どうしたらいいのかもよくわからなかった。


 先生は拒否しなかった。


 ただそう伝えただけで、俺は先生と付き合ってくれるんだと思っていた。


 違った。


 俺はその日から和田先生のことを「菜都美ちゃん」と呼ぶようになった。


 和田先生も、俺のことを「大和」と呼ぶようになった。


 俺たちはたくさんデートをした。


 菜都美ちゃんも、俺をデートに誘ってくれるようになった。


 菜都美ちゃんと手を繋いで歩いたり、キスをしたりした。


 毎日が楽しかった。


 たまに電話もした。

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