ねえ、知ってる?【下】
大学生になったから、俺ももうこれまでみたいな生活はやめる。
別にモテなくたって良い。
ただ自分の価値はもう下げたくない。
俺は目の前にいる新田苗の笑顔をもっと見たい。
ーーー
「好き・・・・・・・・・」
水族館前の広場で、苗にそう伝えられた時、嬉しすぎてどうにかなりそうだった。
やっとだ。
長かった。
俺がずっとそばにいたのに、ずっと支えていたのに、こいつは全然振り向かなかった。
今まで寄ってくる女の子をオトせなかったことはない。
なのにこいつは、年上のバイト先の先輩に夢中だった。
俺が好きになる女の子は、いつも俺より年上を選ぶ。
俺の方が絶対に幸せに出来るのに。
絶対に幸せにするのに。