ねえ、知ってる?【下】
何日も家に帰っていないのだろう。
足下はドロドロになっていた。
男にフラれたのか?
俺は昔から女の子に甘かった。
誰にでも優しくしていたら、誰からも好かれたけど、誰からも本気では愛されなかった。
誰も俺の本心まで知ろうとはしなかった。
別に何でも良い。
楽なままで良い。
本気で好きになってもしんどいだけだと思う。
失恋した友達を見ていると思う。
あんな風に傷付きたくはない。
「ちょっと座って待っててね!」
「はぁ・・・・・・」
急に連れて来たせいでずっとビクビクしている。
「すいません、山さんなんか作ってください。女の子連れて来てて」
「おいまたか、雅暉! あいよ、待ってて」
「あざーっす!」