ねえ、知ってる?【下】



『てか大和、変顔したりするんだね。ふふっ。それも意外なんだけど』


 陽十香は受話器の向こうでケラケラと笑っていた。


 確かに、いつものクールな大和くんがあんな写真を送ってくることは予想出来ない。


 変顔と言っても、あまり慣れている感じではなく、真ん中にくしゃっと口を寄せているだけだったけど、私を笑わせようとしてくれたのはわかった。


『恋愛って難しいよね~・・・。誰が見ても大和と付き合った方が良いのに、それでも好きな人は好きなんだもんね~・・・・・・』


「うん・・・・・・」


 どうしたらうまくいくのか、はわかるのに、自分がどうしたいのか、どうしたら良いのかという答えが出ない。


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