ねえ、知ってる?【下】



『どんだけつらくてもね、好きはやめられないよね。好きでいるのもつらいけど、やめようとするともっとつらいよ』


「そっかー・・・・・・」


『好き』だけで良かった頃は、つらいことがあっても毎日楽しかったのに、雅暉さんを好きでいてはいけないと思うと、つらいことが多くなった。


 うまく感情のコントロールが出来ない。


 フラれてしまうのがこんなにつらいなら、好きと思っているだけで良かったのかもしれない。


 どうしてあの時気持ちを伝えたくなってしまったんだろう。


 雅暉さんに対する気持ちを抑えていられなくなって、どうしても気持ちを知って欲しいと思ってしまった。


 雅暉さんの隣に私がいる未来なんて元から見えていなかったのに、私は何を望んでいたのだろう。


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