ねえ、知ってる?【下】



「私、バイト行けるかなあ・・・・・・」


『そうだよね・・・。顔見ちゃうとちょっときついよね・・・』


「うん。普通に話せる気がしないなあ・・・」


『でも、雅暉さんだったら何も考えずに普通に話しかけて来たりしそうだけどね・・・』


「そうかなあ・・・・・・」


 そうだったら良いな、と思ってしまう自分もいた。


 雅暉さんが前と変わらず普通に話してくれたら嬉しい。


 話せなくなるよりずっと良い。


 雅暉さんの声が聞きたい。


 雅暉さんと話したい。


『俺じゃ、ダメだよ』


 そう言われてしまったけど、それでも気持ちが完全になくなることはまだない。


 好きだという気持ちはダメなんて言葉で簡単に済ませらるようなことじゃなかった。


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