ねえ、知ってる?【下】
「あの・・・どうしてそんなこと教えてくれるんですか・・・・・・?」
純粋に疑問だった。
私の気持ちはもうバレているのだろうし、空さんからしたら私はライバルになるはずだ。
「そりゃあ雅暉さんのことは好きだけど、今更俺の気持ちを伝えるつもりもないし、好きな人には幸せになって欲しいじゃん。それだけだよ」
「空さん、カッコいいです・・・・・・」
好きな人の幸せを、私は願える気がしない。
好きな人が自分以外の他の人と幸せになるなんて、つらすぎる。
「俺はもう雅暉さんのそばにいれるだけで良いからさ。まあでも、年の差はそこまでないとは言え苗ちゃんはまだ未成年だし、色々厳しいところもあるかもしれないけど、俺いつでも話聞くからさ・・・・・・・・・。俺はもう諦めちゃったけど、苗ちゃんはまだ諦めないでいて欲しいな」
「空さん・・・・・・」
そんなの空さんがつらすぎる。