ねえ、知ってる?【下】
空さんの歩く速度が少し落ちたのがわかった。
店に入ると、テラス席がギリギリみえる席があったのでそこに通してもらった。
テラス席は三席あり全て埋まっていた。
チラッと見ただけで雅暉さんがいることに気付いた。
「・・・・・・・・・いたね」
「はい・・・・・・。美舟さん、本当に帰って来たんだ・・・・・・・・・」
二人の表情はよく見えないけど、何か深刻なことが起きているのは確かだろう。
とりあえず飲み物だけ銘々頼んだ。
空さんはずっと唇をかみしめていた。
私も何も言わなかった。