ねえ、知ってる?【下】
自分なんて、ただの年下の従業員の一人だと思っていたのに、そんなに真剣に思ってくれていたなんて・・・。
私が未成年じゃなかったら、今すぐにでも雅暉さんは行動してくれるのか。
もし二年経ったら本当に行動してくれるのか。
でも、どうしようもないことや、見えない未来についていくら考えてもあまり意味はない。
本当なら嬉しいはずなのに、そこまで気持ちが高鳴っていない自分に気が付いた。
自分と雅暉さんの年齢が11歳も離れていることはどうしようもなくて悲しいけど、好きな人が自分のことをそんな風に思ってくれるだけで嬉しい。
自分の恋が報われたような気がした。
「嫌だ・・・・・・。雅暉さんは一生他の人のものでいてくれないと困るんですよ・・・・・・・・・・・・。どうせ俺のものにならないんだから、誰かのものでいてよ・・・」
「空さん・・・・・・」