ねえ、知ってる?【下】



 隣を見ると、目を赤くした空さんがいた。


 つられて私まで泣きそうになる。


 この場所に私はいてはいけない気がする。


 それでも動くことも出来ず、ただ二人の顔を順番に見ていた。


「ごめんね、空。気付いてたのにずっと気付かないふりしてて傷付けたね。ごめんね・・・・・・」


 雅暉さんが口を開いて私はぽかんとした。


 雅暉さんは空さんの気持ちに気付いていたらしい・・・。


「俺、泣かないですから。さっきのは独り言っす。もし今後態度変えたら怒りますからね」


「空・・・・・・」


< 84 / 158 >

この作品をシェア

pagetop