ねえ、知ってる?【下】
「俺の話聞いても引かないでいてくれてありがとうね。今日ちゃんと自分の耳で雅暉さんの気持ち聞けて、良かったよ。こんなことに付き合わせちゃってごめんね」
「・・・・・・・・・そんなの当たり前です。空さん、人として好きです」
「ふふ。ありがとう。じゃあ、またね?」
「はい。ありがとうございました!」
私が車から降りると、手を振って車を発進させた。
さっきの空さんの表情が忘れられない。
どうして恋はこんなに残酷なんだろう。
どうしてみんなが幸せになれる方法がないんだろう。
もういっそ、私以外のみんなが幸せになってくれたら良いのに。