ねえ、知ってる?【下】
焦って私はベッドで、大和くんは床で寝てもらうことにした。
さっきまであんなに眠たそうだったのに、こうやって急変するからどうしたら良いのかわからなくなる。
私は大和くんが布団に入ったのを見て、電気を豆電球にした。
ベッドに戻って寝る準備を済ませる。
こんなに近くで誰かが寝ているのは、修学旅行以来で少しだけワクワクした。
今日は本当に疲れたし、眠たいのに、隣に大和くんがいると思うと寝られそうにない。
静かになるとクーラーの音がやけに気になった。
「苗、ちゃんと寝られる? 大丈夫?」
下の方から大和くんが声をかけてくれた。
「うん、ありがとう。大丈夫だよ」
本当は静かになると思いだしてしまってつらい。