ねえ、知ってる?【下】



 一度離してしまうと、もう一度繋げなくなりそうで少し寂しくなった。


 席に着くと、大和くんは私の前に座った。


 甘いものを持って嬉しそうな顔を見て、愛おしいなと思った。


「イルカのクッキー可愛いね」


「うん・・・・・・。うまそー・・・」


「うふふ。食べよっか」


 ニコニコしながらスプーンですくって、ソフトクリームの一口目を私にくれた。


「はい、あーん」


 食べる瞬間に距離が近くなって口を開くのが恥ずかしかった。


 大和くんのまつげまでしっかり見えた。


 顔立ちが綺麗すぎて見とれてしまう。


「ん・・・。あーん・・・・・・。ん!! おいしい!!」


 ソフトクリームは色も水色で、サイダー味だった。


 さっぱりしていてとてもおいしい。

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