ミルクティー色のキミ。
奥にいる店員のお姉さんに届くように叫ぶと、返事が返ってきた。
この短時間で何杯目よ、と呆れる真理に4本の指を立てて。
「自棄酒だからいーのー!」
ニッと笑う。
今日はとことん飲んでやろうじゃないか、と
腕まくりして気合いを入れたところに
「飲みすぎて道端で潰れんなよ」
散々聞きなれた声が後ろから降ってきてか、振り向かずとも声の主がわかった。
「なんで賢人がいんの」
右隣に座るとあたしが食べようとした枝豆を取り、自分の口に放り込むこの男は小学時代からの腐れ縁の小山賢人《こやまけんと》
「優しい優しい賢人くんは男運のない女の子を慰めに来たんだよ」
「…うざ。」
慰めじゃなくて、面白半分で来たんだろうが。
ニヤニヤした顔に書いてあるわ。
「ゆずきちゃんドイヒー」
「日本語でお願いします」
小学生の頃、虫も触れなくてあたしに泣きついてた可愛らしかったのに今時のチャラ男に成長しやがって。