嘘つきな僕ら【完】




「結香のほうはどうなの」

「なにが?」

「他クラスのやつが好きって言ってたじゃん」


あー、そんな嘘もついたけな。自分でもどんな嘘をついてきたのか忘れるほど嘘をついてきた。サッカー部の先輩が好きとか学校一かっこいい男子が好きとか何人好きって嘘ついてきたんだろう。



「まあまあかな」


適当な返事をして、漫画のページをめくる。




「早く告白すりゃいいのに」

「あたしがいつ告白しようがあたしの勝手でしょうが」

「告白してもすぐに振られるだろうけど。お前みたいなブスは一生恋人できないし」



余計な一言二言が多いわ。

ふっ、と鼻で笑う夏樹を見て苛々が込み上げて背中を一発殴る。



「いってぇな!さっきは枕投げつけて今度は殴るのかよ」

「さっきのお返し」

「昨日ベットから落ちて腰いてーのに…」

「アホ」

「うっせ。あー、本当腰いて…」



馬鹿話して馬鹿みたいに笑いあって

このままずっと続いたらいいな、なんて思う日々。






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