医者嫌いの彼女
亜妃「そ…だったんですか…」

シュンとさせてしまった。気にしなくていいのに。

「お前は弟に似てるよ…病院嫌いのとことかな」

大丈夫じゃないのに我慢したり、
発作を隠そうとしたり。
…だからこそほっとけないんだ。

俺が同じ後悔をしないためにも。

ご飯を食べて亜妃を家に送る。
…やっぱりこうも会えないと心配が増えるだけだな。

「…ねえ、俺ん家に住まない?」

亜妃「はぇっ⁉︎」

突然の提案に、変な声をだす。

亜妃「と、突然何言い出す…んですか⁉︎」

「いや。やっぱ仕事柄、会えない日が多いだろ?
一緒に住んでればその心配がない。」

亜妃「……」

唐突すぎたか…黙り込んでしまった。
確かに、流石にまだ早すぎるよな。

「…すぐにとは言わないから、少し考えてみて。」

亜妃「分かりました…考えてみます。」

俺が言うと、そう返ってくる。

「…まだまだ敬語が抜けないうちは厳しいかな。」

亜妃「えっ…あ、ご、ごめんなさい…」

「いや。こっちこそ急に困らせたな。」

亜妃「そ、そんなこと…ちょっとびっくりしたけど、
嬉しかった…ちゃんと考える…から。」

そう言って少し微笑む亜妃。

「あぁ。じゃ今日は帰るな。
遅くに付き合わせて悪かった。早く寝ろよ」

亜妃「はい。こちらこそありがとうございました。
逢えて良かったです…気をつけて帰ってね。」

「…じゃ、また連絡する。」

そう言って別れる。
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