医者嫌いの彼女
「…待て。やっぱちょっとおかしい」

亜妃「な…何が?」

明らかに動揺する亜妃。
俺が近づくと反射的に、なのか後退りする。
お構いなしに額に手を当てると…

「…ほら、少し熱っぽい」

亜妃「だ…大丈夫よ、これくらい!ご飯いこ?
あったかいの食べたいなぁ…グラタンとかどう?」

でた、こいつの大丈夫。アテにならないんだよ…

「…やっぱダメ。行くのはやめよう。
デリバリーでグラタン取ってやるから。」

明らかに声のトーンがさがる。

亜妃「…大丈夫なのに。」

拗ねたように、俯きながら言われる。

「…拗ねんなって。」

亜妃「…拗ねてない」

充分、拗ねてるよ。

近くの洋食屋さんでグラタンやハンバーグを
デリバリーして食べる。

……。

「やっぱ具合悪いんじゃん。
グラタン、全然減ってないぞ。」

亜妃「そ…そんなこと…」

慌てて、無理やり食べようとするのを阻止する。

「無理しなくていいから。ちょっとこっち来い」

そう言っていつもの亜妃のベッドルームに
連れて行く。
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