医者嫌いの彼女
「…じゃ少し鼻の奥の方に綿棒が入りますよ」

近づけると余計に退けぞろうとするが、
看護師によって抑えられる。

田中「検査なんでね、はい。じっとしてください。
先生。どうぞ、私抑えてますので」

ま。可哀想だが、時間をかけた方が、
余計恐怖心を煽るだけだしな。
こういう時は早く終わらせてあげるに限る。

「…ちょっと我慢してくださいね」

そう言って綿棒をつかって検体を採取する。
普段なら嫌だの痛いだの言うはずなのに、
今日は目を瞑って耐えている。

珍しい。…後ろの看護師のせいか?

何か理由つけて外に出してやったほうが良かったか。

検査結果が出るまで少しの間待合室で
待ってもらう。

検査結果は…うん。やっぱ陰性だな。
良かった、インフルだと家でも感染対策が
大変だからな。

もう一度亜妃を診察室に呼ぶ。

「インフルは陰性でした。
扁桃腺が腫れてるので抗生剤と解熱剤だしますね。
風邪が悪化すると、喘息発作も出やすくなるので、
充分気をつけてください。では、お大事に。」

そう言って帰らせるが、これは帰ってから
フォローしないといけないな…。
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