医者嫌いの彼女
昼休憩を使って亜妃の様子を見に帰る事にした。
あれは…さすがにちょっと可哀想だったしな。

「ただいま」

亜妃「か、和弥さん…どうしたの?」

「心配になって…様子見に来た」

大丈夫か…?と聞くより前に亜妃が喋りだす。

亜妃「…もう!心配って何よ‼︎楽しんでたくせに‼︎
検査するならするで最初に説明してよ!
めっちゃ痛かったんだから!看護師さんには
すごい力で押さえつけられるし‼︎」

「聞かないお前が悪いんだろ?」

…インフルくらいなら誰でもやっている事だから
あえて説明する必要もないと思ったが。

亜妃「聞こうとしたのに、邪魔するからじゃん!」

「その後ちゃんと聞きかえしたろ。」

こっちも引くに引けない状況。

亜妃「あんな状況で言えるわけないじゃん!
後ろに看護師いるんだし」

「気にしなくていいだろ、質問くらい。」

亜妃「…分かってない!
和弥さんは全然分かってない‼︎」

「はぁ⁇何が?」

…何が言いたいんだ?

亜妃「…あの人、和弥さんの事が好きじゃん。
私たちがただの医者と、患者じゃないって
事も気付いてるみたいだし…
学生と医者が釣り合うわけないって…」

「…お前、なんでそんな事しってる?」

亜妃「…前、あの人が言ってたもん。」

すでに絡んできていたのか…。
本当に油断できないやつだな…。

でもそこまで田中を気にするってことはつまり。

「あぁ、なるほど。亜妃ちゃんは
あの看護師に嫉妬してるわけね」
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