医者嫌いの彼女
「いいか。常識的に考えて、喉が痛い時とか
免疫力が落ちてる時は刺激物は控えて、
胃に優しいものを食べるの。
余計痛めつけてどーすんだよ…」

亜妃「…だって食べたくなるんだもん。」

言いたい事は分からなくもないが、
こんだけ炎症起こしてるのに香辛料はやばいだろ…

「はぁ…とにかく、今日はダメ。」

亜妃「えー…。じゃ、豆乳鍋がいい。」

「はいはい。買い物行ってくるから。」

亜妃「…行く。」

またそれか…。

「熱あるからダメ」

インフルじゃなかったとはいえ、免疫力が
落ちてる今、外に出れば感染しかねない。
そう思って言ったつもりだったが、今の亜妃には
癇に障ったらしい。

亜妃「もう、ダメダメ言わないで‼︎」

今日はやたらとイライラしているな。
あんまり興奮させても熱が上がるし、
一旦家を出て落ち着かせてやった方がいい。

「…言わせてるお前が悪い。…何かいる?」

だまって首を振る亜妃。
そのままソファに横になってしまった。
熱もあるし、立っておくのも限界なんだろう。
ブランケットをかけ、買い物に行く。

家を出る前に「行ってくる」と声をかけるが、
返事はなかった。
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