医者嫌いの彼女
最寄り駅までは佳奈さんが迎えに来てくれていた。

佳奈「この度はまた父がとんだご無礼を…
申し訳ありません。」

「いや、それは構わないのですが…お断りの話は…?」

佳奈「言っています。月末に彼を紹介するとも
言ってあるのに何故こうなったのか…」

「お会いして私の方からもきちんと
お断りをさせていただきますね。」

そして自宅に着く。

…さすがは病院長。立派なお屋敷だな。
そう思いながら家に入る。

院長「瀧くん、よく来てくれたなぁ。」

「お邪魔致します。」

佳奈「お父さん、今日はきちんと話しておきたくて、
瀧さんにわざわざ来ていただいたの。
私たち、結婚は出来ません。私にはもう決めた人が
いると前にも言ったでしょう?瀧さんにも
きちんと話して理解していただいているわ。」

院長「お前がどんなやつと付き合っているか知らんが、
病院の今後の為にも瀧くんほどの人はいないだろう。
医者としても1人の男としても素晴らしい人なんだぞ。」

「あ…いえ。私はそんな立派な人間ではありません。
私には佳奈さんみたいな方は勿体ないと。」

どうにかして断りたいんだが、なかなか
いい言葉が見つからない。
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