医者嫌いの彼女
亜妃「やっぱりここ、お洒落ですね。
来れて良かったです」

そう言いながらも顔色が悪い。

どう話を切り出そうかと思いながらも
とりあえずケーキとコーヒーを頼む。

コーヒーを飲んでいると、

亜妃「ゴホッ、ゴホッ…」

目の前で咳こみはじめる。

「…大丈夫⁇」

亜妃「なんかむせちゃったみたいで…ははっ」

笑ってごまかしているが、そもそも
こいつはまだコーヒーを口にしていない。

誤魔化すにも無理があんだろ。
だが、ちょうどいい。

「なぁ。本当、1回病院行った方がいいぞ?」

亜妃「…むせただけですって‼︎そんな大袈裟な‼︎」

俺が言うと慌てた様子で弁解してくる。

「…病院行きたくない理由でもあんの?」

亜妃「…嫌いなんですよね、病院。」

少しの間があって、小さくそうこぼす。

確かにこないだのバーの時も言ってたな。
でも普通に考えて病院に好き好んでくる奴はいない。

「…前もなんか言ってたな。
そりゃ、好きなやつはいないだろ。」

亜妃「まぁそうですけど…でもほら、
風邪なら寝れば治りますから‼︎」

…治ってねぇから今も咳してんじゃねぇのかよ。
言いたい事は山ほどあるが、ここは冷静に。

「…風邪じゃなかったらどうすんだよ?」

亜妃「…それならそれで、構いません。
別に長生きしたい訳でもないですから。」

……。
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