医者嫌いの彼女
その言葉を聞いて、こいつの態度を妙に
納得してしまった。

恐らく、自分でも普通の風邪じゃない事には
気付いている。

人に対してドライなのはこういう考えに
よるものなのだろう。

いつ死んでも構わない。
むしろ死ぬことを望んでいるような言い方。

「……。」

さて、どうしようか。

とりあえずこいつを病院に連れて行きたい。

間違いなく、熱あるしな。

そう思ってふと亜妃を見ると、
少し気まずそうにケーキを食べていた。

仕方ない、気は進まないが…。

「そういえばさ。この後ちょっと
付き合って欲しい場所あるんだけど」

俺がそう言うと、少し笑って

「あ、はい!大丈夫です。お供します。」

という亜妃。

乗っかってきた。

ケーキを食べ終わり店を出てタクシーを捕まえる。

先に亜妃にタクシーに乗るよう促し、

運転手に病院の裏側に回るようにお願いする。

亜妃「あの、何処行くんですか?」

「内緒、まぁ良いとこ…だから。
俺が良いっていうまで目瞑ってて。」

俺がそういうと素直に目を瞑る。

病院の裏口に着き、タクシーから降りる。

亜妃「ここは…?」

和弥「ん?すぐ分かるよ」

上をみれば病院と書いてあるんだけどな。

とりあえず黙って亜妃を病院内に連れて行く。
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