医者嫌いの彼女
調べると、すでに予約は埋まっていて
キャンセル待ちとなっていたが、
数日後、タイミング良くキャンセルが出たと
連絡があり、無事に予約が取れた。

日帰りで行くには少し厳しい距離。
併せてホテルの予約もする。

泊まりがけなんて言って亜妃が変に気を
遣っても可哀想だから、あえて伏せておく事にした。

亜妃に内緒で服と下着は手に入れた。
サイズはあいつが忘れて帰った時に
たまたま見てしまったので、大体わかっている。

ー外出日ー

必要なものはすでに車に乗せてある。
あとは亜妃の準備を待つのみ。

「亜妃、準備できたか?」

亜妃「はーい、すぐ行くー」

部屋に向かって声を掛けるとすぐに出てくる。

亜妃「お待たせ」

「あぁ。薬もった?」

頷くので家を出る。
車に乗ると早速、行き先を聞いてくる。

亜妃「どこ行くの?」

和弥「言ったら面白くないだろ?」

…まだ教えてあげない。
そう思いながら運転をする。

しばらく走り、途中サービスエリアに寄る。

亜妃「サービスエリアって久しぶり…」

そう言いながらルンルンでソフトクリームを
買ったり、お土産品などお店の中を見て回る亜妃。

「ガキと一緒だな」

亜妃「なんか楽しくって」

まぁ楽しいんならそれで良い。
隣を付いて歩くが…はしゃぎすぎて
目的地に着く前に疲れられるのも困る。

「体調、まだ本調子じゃねーんだから、
あんまはしゃぎすぎんなよ」

亜妃「…わかってるよ」

口調は拗ねたような言い方だが…コイツの顔。

「…顔。何ニヤけてんだよ」

そう言うと、ハッとして普通に戻る。
…相変わらずおもしれーヤツ。
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