医者嫌いの彼女
近くの商業施設に行くと、割と大きく
化粧品ブランドやアパレルブランドが
結構入っている。

洋服や化粧品店がいくつも入った中を
歩いて回る。

「要るものは遠慮せず買え。」

亜妃「いるものって言っても…化粧水とかは
コンビニのトラベルセットとか…
なんならホテルのアメニティでいいよ」

せっかくなんだから何でも買えば良いのに。

「遠慮すんなって。年頃だろ。
ほら…ここのなんてどうだ?」

目についた化粧水のテスターを手に取り、
亜妃に渡すが、手に取ろうとしない。

…気に入らないか、じゃあ。

別の所の化粧水を見つけて亜妃に渡すが…
ボーッとして反応しない。

「ん?具合悪くなった?」

さっきまで調子良さそうに見えていたが…
病み上がりなのに連れ回したのがまずかったか?

亜妃「ううん。違う、体調は大丈夫。」

亜妃はそういうが、夜があるから今
疲れられても困る。

「無理すんな、ホテル戻るか?」

亜妃「あー…うん。じゃ、ちょっと休もうかな」

亜妃がそういうので、とりあえず
ここの、基礎化粧品だけ買っていくか。

手早く会計を済ませて商品を受け取る。

「じゃ戻ろうか」

ボーッとしている亜妃の手を引いて
ホテルまで戻る。
さりげなく脈を測ってみるが特に問題は無さそう。

しばらく歩いていると亜妃に呼ばれる。

亜妃「和弥さん…」

「どうした?」

亜妃「色々買ってくれるの嬉しいけど、
あれこれ買いすぎだよ…しかも高いやつばっかり」

「良いんだよ、俺が買いたいだけ。」

亜妃「でも…」

「気にすんな。それより休むなら
早いがいいぞ。夕方には出る」

亜妃「今度はどこ行くの?」

「内緒。あ、服は俺がやったやつ着ろな?」

…まぁ、今の服でも問題はないけど、
せっかくなら見てみたい。

亜妃「えっ…あ、うん。」

そう微笑む亜妃。
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