医者嫌いの彼女
しばらくホテルで休んでから、ホテルを出る。
亜妃は買ったワンピースを着ている。
サイズもちょうど良いし、似合っている。
我ながら、良いセンスしてんなー。

亜妃を連れて向かったのはさっきの港の1番奥に
停まっている大きなクルーズ船。

クルーズ船に乗ると、大きな窓の近くの
席に案内される。
キャンセル席だから期待していなかったが、
眺めも良く、割と良い席。

亜妃もご飯を食べながら、外の景色を楽しんでいるようだ。

亜妃「今日は連れて来てくれてありがとう。
こんなの、初めて。」

初めてのデート、しかも誕生日を祝うっていう
一大イベント。こっちもそれなりに準備してるんだ、
こんな所…来た事あるって言われた方が困る。

「初めてじゃないって言われたほうが
傷つく…俺が。遅くなって悪かったな。
誕生日おめでとう。」

そう言って、買っていたプレゼントを渡す。
女にアクセサリーなんてやるのは初めてだ。

亜妃「開けて良い?」

頷くと、丁寧に箱を開け始める。

亜妃「きれい…」

そう言って涙を流す亜妃。
泣いているの見て、きれいだ…と思う。

亜妃がネックレスなどの装飾品をつけている所を
見たことがなかったから見てみたいと思った。

亜妃「本当、ありがと…大事にする」

「あぁ。」

それからはシャンパンを開けて夜景を
見ながらご飯を食べる。

亜妃もしばらく禁酒させていたが、
こういう時くらいはいいだろう。
薬を飲む時間を調整させよう。

弦楽器の生演奏もあっていて、何とも優雅だ。

人もそんなに多くはないからゆったりと
過ごせる。

約2時間半のクルーズディナーを終えて船は港に戻る。
そこから歩いてホテルへと戻り、初デート、
初旅行、誕生日祝いを終えた。

これを機に誕生日なんかの祝いごとが、
亜妃のいい思い出になってくれる事を願う。
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