医者嫌いの彼女

お手伝い

しばらく経ったある日、久しぶりに京介から
連絡が来る。

"前にお願いしてた今度の学会の発表、頼むな。"

そういえば結構前に、今度ある学会の発表を
任されていたことを思い出す。
データは集まっているから、統計出して
まとめればいいのだが…間に合うか?

最近、亜妃の事で頭いっぱいで学会の事、
すっかり忘れていた。

それからはまたバタバタな日々が始まった。
夜も遅くまで資料作りに追われてご飯も
一緒に食べてやれない。

亜妃は亜妃でそろそろバイトに行きたいと
言い出すし。

悩みの種は増えるが、病院内なら様子も見れるし
許可することにした。

そして数日経ったある日。
カフェで話す亜妃と友達を見つける。

…相変わらずなメンバーなんだな。
店に入ると微かに話し声が聞こえる。

みさき「やっぱイケメン先生多い?」

亜妃「…どうだろ。」

友里「でも色んな先生が買いに来るでしょ⁇」

亜妃「…まぁね。でも働いてたら
それどころじゃないよ」

…なんちゅー話してんだよ。
そう思いながら、コーヒーを買おうと
カウンターに向かっていると友達の1人が言う。

花凛「亜妃はアンテナが立ってないだけでしょ」

その言葉には思わず反応してしまう。
亜妃にイケメンを探すアンテナを張れってか…?

そう思うと、身体が勝手に動き、
亜妃たちのテーブルに近付いていた。

「…立てる必要がないからな。」

花凛・みさき・友里「わっ!」

俺のその声に驚く一同。

花凛「お、お久しぶりです。」

「あぁ、久しぶりだね。
…仕事、終わったのか?」

軽く挨拶をして、亜妃に小声で尋ねる。

亜妃「あ…うん。」

あまり目を合わせず、小さく返事をする。
あんまり声をかけられたくないらしい。
残念ではあるがこっちとしても、変に
いろんな人にバレることは避けたい。

「遅くならないうちに帰れよ」

それだけ言ってコーヒーを買って仕事に戻る。
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