医者嫌いの彼女
しばらく寝ると身体も大分軽くなっていた。
完全に…疲れだな。

そう思いながらリビングに行くと亜妃が居て、
すぐに気づき、声をかけてくる。

亜妃「おはよ!…大丈夫?」

「あぁ…寝たらだいぶスッキリした」

亜妃「よかった…お粥あるけど…?」

そう言えば…今何時だ?
見るとちょうどお昼くらい。
…今日学校の日だよな?

「ん、貰う。サンキュな。
…てかお前学校は?」

亜妃「休んだよ。」

「はっ⁉︎なんで?」

亜妃「えっ…だって熱あるし」

あ、熱あるのか…ん?亜妃も⁉︎

「はっ⁉︎亜妃も熱あんのか⁉︎」

亜妃「あ、ううん。和弥さんが…」

あぁ、俺ね。
いやいや、そういう事じゃなくて…

「俺の事はどうでも良いんだよ、
寝てれば治るから。…ちゃんと学校に行きなさい。」

しばらく前だって学校を何週間も休ませてるのに、
俺の事で休んでたら単位やばいだろうが…

俺の気持ちなんて知らない亜妃はまた
申し訳なさそうに言う。

亜妃「じゃ、バイトは行ってきていい?」

「当たり前。休もうとしてたのか?」

亜妃「うん。」

「うんって…亜妃が休んだら店が困るだろ?
自分の体調が悪いなら働くなって言うけど、
体調が悪くないなら行っておいで。」

亜妃「…わかった。」

俺を心配してくれる亜妃の優しさだろうが、
これくらいはどうって事ない。
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