医者嫌いの彼女
京介たちが帰ると、ため息をつきながら
ソファに倒れ込む亜妃。

「急に悪かったな、びっくりしたろ?」

亜妃「あ、うん…大丈夫。そういえばさ、
山下さんは、同じ病院の人?」

「いや、あいつは違うよ。アイツのとこは
医者一家だからな。医者だけじゃなく、
後々は病院経営とかもしないといけないから
大学院行きながら親の病院で働いてるよ」

意外…とでも言いたげな表情の亜妃。

「フッ、意外か…?」

亜妃「ちょっとだけね。チャラい人だと
思ってたから」

「まぁ働きながら、一応学生もしてるからな。
今度の学会もあいつの病院が主催なんだよ。
だからその打ち合わせにな。」

そうなんだ…と言いながら頷いているが
ふと動きが止まる。

亜妃「…それより、熱は大丈夫なの?」

「あぁ、もう下がったよ。
亜妃のお粥のお陰だな。」

頭を撫でながらそういうと、照れた様子の亜妃。
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