医者嫌いの彼女
亜妃を見送り、ホテルの方へ戻ると、
気づいた恭介に声をかけられる。

京介「和弥!亜妃ちゃんは…?」

「今帰したところ。」

京介「…1人にしていいのか?」

「いや…うん、まぁ。そんなことより、
怒鳴られてたってどういう事だ?」

京介「いや、俺もよくわかんなくてさ。
気づいて慌てて駆け寄ったら、うちの病院の
スタッフだと思ったらしくて、今すぐクビに
しろって言われて…亜妃ちゃん、怯えてたし
多分知り合いだとは思う。」

亜妃に医者の知り合いがいるのか…?
謎は深まるばかりだ。

「…ちなみに、どんなやつだった?」

京介から聞いた特徴から、思い当たる人物が1人。

春川貴教。

大学病院の…今は准教授だったか。
同じ呼吸器内科だからわかる。
この辺では名の知れた医者だ。

春川…

年齢はおそらく俺の親父より上のはず。
今までは何も思わなかったが…

もし怒鳴っていたのが春川医師なら…
おそらく、偶然ではないだろう。
この人が関係している、そう確信する。

すると亜妃からメッセージがくる。


"帰りました"

とりあえず、家に帰ったなら安心だ。

"何かあればすぐ連絡しろ。"

それだけ送って会場へと入る。
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