医者嫌いの彼女
一刻も早く亜妃の所に行きたいが、
主治医という立場がある以上、気安く行けない。

ましてや亜妃は自ら俺の所を出て行っているのに。

どの立場で行ったとしても、何があったのかと
聞かれても答えられない。

結局、亜妃の意識が戻るまで何も出来ないって事か…

 
歯痒い気持ちを紛らわすため、
ひたすら仕事に打ち込むしかなかった。

常田先生や看護師たちから心配されるが、
今は1人になった方が気がどうにかなりそうだった。

それから数日経っても本田先生からの連絡はない。
心配になってベッド確保準備の為と理由をつけて
電話をかけてみるが、まだ意識が戻っていない
という事だった。

幸いバイタルは安定してると言うが…
大丈夫なのか?脳にも影響がでたのか?

別に病院や本田先生を疑うわけではないが、
本当に大丈夫なのだろうかと心配になる。

連絡があったのはそれから数日後、
亜妃が病院に運ばれてから1週間以上が
経った頃だった。
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