医者嫌いの彼女
亜妃「でも…」

それでも否定しようとする亜妃の言葉を制し、
質問する。

「なぁ…亜妃はさ、どうしたいの?
俺と別れて、1人で生きていくわけ?
最初に言ったよな?お前と出会ったとき、
ほっといたら死ぬと思ったって。
その気持ちは今も変わらない。
むしろ今の方がそう思う。」

さっきこいつは1人で大丈夫と言ったが、
こんな状態でよく言えたなと思うくらい
大丈夫には見えない。
今1人になったら近々こいつがどうなるかなんて、
容易に想像がつく。

「俺のその気持ちを無視してでも
別れたいって言うなら俺はもう何も言わない。
だけどな…本当のお前の気持ちは?
親の事とか、俺に迷惑とか…
そんなん全部抜きにして、純粋な亜妃の
気持ちを聞かせて?」

別れるなんて絶対にさせるつもりはないが、
一応亜妃の気持ちは聞かないと、と
自分に言い聞かせ尋ねる。

震える小さい声で喋り出す亜妃。
聞き逃さないように耳を傾ける。

亜妃「出来る事なら…和弥さんと一緒に居たい。
一緒じゃないと…もう生きていけないの…。」
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