医者嫌いの彼女

俺が咳を気にしていたことを知っているから、
あっさりと納得した様子だが…
俺たちの関係に興味を持ち始めた正隆。

亜妃にご飯を奢ると言って、定食屋に行く事に。
早く帰したかったが、1人じゃどうせ飯
食わないだろうと思い、連れて行く事にした。
いつも行く正隆お気に入りのその定食屋は
おじやなんかもあって食べれるものもあるだろう。

店に入るなり話出す正隆。

正隆「で⁉︎いつからそんな…病院に連れて行く
関係になったの？…そういえば、そもそも和弥は
フリーター設定辞めたんだ⁇」

「…まぁな。」

こればっかりは仕方ない。
あのまま家に帰すわけにも行かなかったし。
病院に連れて行った以上、隠し通せるはずも
なかった。

亜妃「あの…フリーター設定てどういう事ですか…？」

亜妃の質問に対して、何て返そうか迷っていると、
代わりに正隆が説明し出す。
一通り説明をした後で鼻で笑い、一言つけたす。

正隆「女の子からしても、さすがに30手前で、
フリーターって嫌でしょ？」

亜妃「……。」

特に言葉を発する事はしないが、
…表情に出てんだよ。
でもまぁ、そうなるわな。

亜妃「えっ…でも私に言ってたバイトは⁇」

「あぁ…あれな。あれは俺が大学時代に
やってたバイトだな。」

…我ながら色々やってたな、と思う。

正隆「それより。風邪は大丈夫⁇」

亜妃「あ…はい。」

いや、風邪じゃないだろ。

「風邪じゃなくて…喘息だろ。まぁまぁ重症の。」

正隆「あーやっぱり…?なんか咳変だったもんね。
そりゃ、呼吸器専門にしてる和弥からすれば
ほっとけないよねー」

知っているくせに、わざとらしい。

「この歳までほっとく方が異常なんだよ…
普通なら、入院させてる。」

この言葉に正隆の医者としての火がついてしまった。