医者嫌いの彼女
正隆「だったら入院させるべきだろ。
薬のコントロールもあるし、ベッド空きあるだろ?」

もっともな正論を言ってくる。

チャラチャラしてそうに見えるが、
こういう事に関しては一切妥協しない。

必要なものは必要、ダメなものはダメ。

この辺がしっかりしているから、
患者や同僚からの信頼も厚いのが
こいつのいい所ではあるが…。

「させようとしたけどな…まぁちょっと保留。」

亜妃を見ると明らかにシュンとして落ち込んでいる。

…申し訳ないとでも思っているのか。

もう突っ込まないでやってくれ、
という願いも込めて、そう言うと。

正隆「え!待て。もしかして…
病院嫌いってそんなに⁉︎」

まぁちょっとズレてるが、そういう事にしておこう。

「…まぁ、な。」

そのタイミングでご飯が運ばれて来て
食事をする。

助かった…これ以上突っ込んで亜妃が
気にしてもいけないからな。

俺と正隆は焼肉定食、亜妃は野菜うどんを食べる。

しばらく食べていると、口に運んではいるが
全然減っていない亜妃のうどんが目に入る。

様子を見ていたが、無理に食べようとしているため
助け舟を出すことにする。

「…無理して食わなくていい。」

亜妃「えっ…」

「さっきから全然減ってない。」

亜妃「あっ…」

そんなやりとりを見てた正隆が突然
食べ物を吐き出しそうになっている。

…こいつ。

正隆「ぐふっ…嘘だろ。和弥お前…
女の子に優しく出来るんだな…」

「あ?」

正隆「いや、他人を気にしたり出来るんだなーって。」

「…うるせぇよ。」

俺はいつでも紳士だっての。

余計なこと言うなよな…
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