医者嫌いの彼女
割とあっさりつながった。

「…いまどこに居る⁉︎」

亜妃[あの…私、…]

電話の向こうでしどろもどろになっている。
…そういえば亜妃は自分で病院来たことなかったな。

道に迷ったか?

ちょうどその時館内放送が流れる。
電話からも同じ声が聞こえるってことは…

「病院着いてるのか?どこにいる?」

亜妃[まだ…玄関です。ごめんなさい、…]

半泣きの声で謝ってくるって事は
来たはいいけど怖くなったパターンか。

「そこで待ってろ。」

電話を切り正面玄関に向かう。
そこで見つけた亜妃の姿。

とても成人してるやつとは思えんが…。
時間もないので、手を引いて診察室に連れて行く。

亜妃の手を引いて診察室に入ると
田中がじろじろとみてくる。

「田中さん、悪いけどこの子のバイタル測定だけ
お願いしていいかな。それ終わったら休憩
入ってもらっていいから。」

やる事やってもらって出て行ってもらおうと思い、
バイタル測定だけ頼む事にした。

田中「はーい、ではこちらにお願いします。」

そう言ってバイタルを取り始める。
その間にカルテを立ち上げ、受付登録を済ませる。
しばらくすると

田中「先生っ。測り終わりましたよー!熱は…」

丁寧に報告してくるが、メモさえあれば必要ない。

「ん、ありがとう。メモそこに置いといて。
ご飯行っていいよ。…お疲れ様」

そう言って看護師を診察室から出す。
…休憩長くなるんだから、喜んでもらいたい。
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