医者嫌いの彼女
田中が出て行ったのを確認して、亜妃に尋ねる。

「さてと…なぜ呼び出し喰らったかわかってるな?」

椅子のままぐっと近寄り、距離を縮める。

亜妃「…た、たぶん。」

「発作が起きたらすぐ連絡っていったよな?」

亜妃「昨日は夜遅くて…。
今日朝から行くつもり…だったんですけど…
起きれなくて…」

「…来るつもりだったんだ⁇」

頷きはするが、目が合わないし、
反応もしどろもどろ。

…連絡しなけりゃ来てないな、こいつ。
どうしたもんか…

「はぁ…。とりあえず、信じよう。
じゃ、次、薬の勉強し直そうか。薬出して」

これ見れば一発だしな。
とにかくきちんと説明しとかないと、
後々大変なことになる。

亜妃「えっとー、薬は…」

一気に歯切れが悪くなるが…

「持ってないはずないだろ。…出して」

亜妃「…はい。」

観念したかのように出してくる。
確信犯だな。

「これ、どういうこと?ここ、
残りの回数なんだけど、おかしくない?」

亜妃「っ…」

俺が手にしたのは発作時に使うSABA。
明らかに動揺する亜妃。
目が全く合わなくなる。
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