医者嫌いの彼女

「いやぁぁー‼︎ｺﾞﾎｯいやっ、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…やだ。
怖い、怖い…やめて！いやっ！ﾊｧｯﾊｧ、
ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ、ﾋｭｰ…ｺﾞﾎｯ」

聞こえてくる亜妃の悲鳴。

…何が起きた？

慶太「っ⁉︎亜妃ちゃん⁉︎大丈夫だよー」

看護師「大丈夫ですから、落ち着いてください」

慶太と看護師が落ち着かせようとしているが
落ち着く気配がない。

亜妃「ﾊｧｯﾊｧｯ…いや。怖い…」

亜妃のベッドの所に向かうと、

慶太「ちょ、和弥‼︎亜妃ちゃんが…」

そっか…こいつ病院嫌いなんだった。

心あたりはあったが、でもここまで取り乱すなんて…
そんなにか？

とりあえず、2人になった方がいいと判断し、
慶太達に離れてもらう事にする。

和弥「ごめん、ちょっとだけ離れててくれる？」

離れたのを確認し、視界に入る位置で声をかける。

「…どうした、大丈夫か⁇」

亜妃「…ﾊｧﾊｧ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ …瀧さ…ん？」

何とか応答は出来るな…。

「あぁ。どうした…何が嫌だった⁇」

亜妃「ﾊｧ…ｺﾞﾎｯ…わかんない。
気付いたら人がいっぱいて…」

なるほど、何となくだが理解できた。

「そうか…とりあえず、今発作を抑える
薬入れるから、怖いなら目瞑ってろ。
大丈夫だから。な？」

発作を落ち着かせてやらないことにはな…
本人も辛いだろうしな。

点滴を繋ぎ、薬を入れる。