医者嫌いの彼女
「・・・父親は?」

亜妃「えっ・・・?」

気づくと、思っていた事を口に出してたらしい。

「母親ことは知らないっていったが、
父親はどうなんだ?」

亜妃「・・・し、しりません。それに、
もう親でも何でもないと言われてるので…」

ここに何かあるのか?

「…そうか。」

慶太「こっからが本題なんだけど…
やっぱり入院は嫌?お金の事はどうとでもできる。
ただ…喘息はアレルギーとかだけじゃなくて、
ストレスも発作の原因になったりするんだ。
今の亜妃ちゃんみたいな子は、入院が
ストレスになって悪化させるケースもあるから。」

亜妃「……。」

亜妃を見ると思い詰めた顔をしている。

「…やっぱ連れて帰るわ。」

亜妃「えっ⁇」

「入院、したくないんだろ?」

俺がそう言うと、すかさず慶太が入ってくる。

慶太「…でも1人じゃ危険だろ。」

「…しばらく俺ん家で預かって様子みるよ。」

…すでに預かっているが。

慶太「はっ⁉︎いや…それでもお前、仕事あるだろ。
今日だってお前、当直なんだろ?」

確かに。
でも当直なら最悪誰かに代わってもらえば…
などと思っていると。

亜妃「…あの、大丈夫です。お家に帰ります。
1人でも平気です。今までだって1人で
生きて来たんで、全然平気です…。」

そんな事を言い出す亜妃。
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