医者嫌いの彼女

予想外の

できるだけ早く終わらせようと思うが、
こういう時に限って忙しい。

極めつけは急患対応。処置に加え、
カルテ記載にも時間がかかる。

なんだかんだで仕事が終わったのは昼前。

…遅くなったな。

部屋まで亜妃を迎えに行き、コンビニで昼飯を
買ってタクシーでマンションに帰る。

あまり仮眠が取れなくて眠いわ、
朝飯食べる暇なくて腹は減るわ…。

帰って飯食ったら早く寝よ。
そう思い、帰って早々ご飯を食べる。

向き合って食べていた亜妃が複雑な表情で
こっちを見てくる。

亜妃「あの…ひとつ聞いてもいいですか?」

「ん、何?」

亜妃「どうして…どうして、私なんかに
こんなに良くしてくれるんですか?」

「ん?あぁ…何で、かな。」

そんな泣きそうな顔でこっち見んなよ…

てか、今そんな事聞くか?
何と言おうかと考えるが、眠すぎて頭が回らん。

ただ言える事が一つ。

「自分でもよくわからん。でも初めて会った時に、
こいつはやばいかもって思った。」

亜妃「やばい?」

「あぁ、ほっといたら死ぬなって。」

亜妃「えっ⁉︎」

俺のその言葉にびっくりする亜妃。

「あ、いや。何となく直感だな。
…まぁ結果、俺の直感は正しかったわけだけど。」

亜妃「……」

黙って俯いてしまう。

「…ほっとけなかった。」

本音。
初めてあった時からこいつの事は何故か
ほっとけなかった。

喘息自体も気になったが、多分弟に似ていたから…
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