医者嫌いの彼女
慶太が女たちに酒を勧めているのを横目に見ながら
残っていたブランデーを飲む。

話している3人の声が聞こえる。

友里「ー…で、亜妃はこないだの飲み会の後
3日間も風邪で寝込んでたんですよー。
病院行くように行っても全然言うこと
聞いてくれなくって‼︎ほんと、病院嫌いの
困ったちゃんなんですよー」

正隆「えっ!亜妃ちゃん、病院嫌いなの⁇」

亜妃「えっ⁉︎あ、え…えぇまぁ。」

友里「最近変な咳もしてるし…」

その言葉には少し気になり、耳を傾ける。
確かにこの前も咳をしていた。

2週間…ただの風邪とは思えない。

とはいえ、俺はまだフリーター。
変に反応して医者だとバレたくはない。

亜妃「ちょっと友里‼︎何言ってんの⁉︎
…あ、ただの風邪なんで…」

明らかに慌てた感じの亜妃。
必死で正隆に説明している。

正隆「あ、それなら‼︎…」

と正隆がこっちをみるので、無言のまま睨み返す。

「……。」

言うなよ、と目だけで訴えると理解したのか
続きを言うのをやめた。


それより…コイツ。
まじで病院行かないつもりなのか?

亜妃の方を見ると一瞬目があったが、
すぐにそらされた。
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