医者嫌いの彼女
友達が出て行き、うなだれる亜妃。

「ハタチ過ぎてまで友達に連れて来られる
患者は初めて見たよ」

顔を赤くしてこっちを見ようとしない。
わかりやすくオドオドしている。
後ろの看護師も気になるようだな…

「とりあえず、こっち座って。診察するから。」

コクンと頷き、大人しく椅子に座る。

「あれから、調子はどう?
バイトに明け暮れてるんじゃないだろうな?
診察すっぽかすくらいだもんな…」

亜妃「そんなことは…。咳はでるけど…大丈夫です」

まだやっぱ咳はでるのか…気になるな。

「発作は起きてない?」

亜妃「はい…起きてないです。」

「ん。じゃ服あげて」

そう言って服の下から聴診器を滑らせる。

この呼吸音…怪しい。
本当に発作起きてないよな?

「…喘鳴があるな。本当に発作起きてない?」

そう聞くと頷く亜妃。
嘘をついている様には見えない。

「そっか…ちょっと怪しいから吸入だけしとこ。
あと薬、追加で出すから貰って帰って。」

亜妃「…はい。」

とりあえず、吸入と薬で様子みるか。

「うん。じゃ、いいよ。田中さんお願い」

田中「はい。ではこちらで吸入行いますので…」

田中に連れられて、吸入が出来る処置室に行く亜妃。
その間に薬のオーダーを打ち込み、
カルテを書いていく。

しばらくすると看護師だけ戻ってくる。
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