医者嫌いの彼女
亜妃を見送り、カルテや溜まった書類の
整理をして早々に仕事を切りあげる。

家に帰り飯と風呂を済ませ、
コーヒーでも飲みながら軽く論文に目を
通して寝ようと考えていた時。
バッグの中で携帯が鳴っているのに気づく。

…マナーモードなの忘れてた。

画面を見ると…春川亜妃。
何となく嫌な予感がする。

「…もしもし。」

亜妃[あ。…あの、春川ですけど…ゴホッ]

…咳⁉︎

「発作か⁉︎っ大丈夫か⁇」

嫌な予感が当たる。

亜妃[ゴホッゴホッ…すみません。大丈夫です…]

全然大丈夫に聞こえない。

亜妃[あの…]

何か言おうとしているけど、
今はあんまり喋らせたくない。

「…今から行くから待ってろ」

そう言って電話を切る。
着替えて、行く準備をする。

…酒飲んでなくて良かった。

あ、部屋番号聞くの忘れた。

ショートメールで"部屋何番?"
と送ると、"201です。"と返ってくる。

車を近くのコインパーキングに止めて
亜妃の家にいく。
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