医者嫌いの彼女
ー金曜日ー

今日は製薬会社の社長との会食。
常田先生の付き添いとして、だが。

中華を食べた後、もう少し話を…という
社長に連れてこられたのはガールズバー。

…この社長、そういうのが好みなのか?
人は見かけによらないな…と思っていると

社長「ここ、知り合いがやってるバーなんですよ。
キャバクラのように騒がしくはないので…
ここで良いですか?」

常田「大丈夫ですよ。行きましょう」

そういうと、チラッとこっちを見る常田先生。

ついて来いって事か…?

店に入ると、こじんまりとしていて、
割と落ち着いたバー。
俺たちが使ってるバーとは違うが…
ガールズバーってもっと騒がしいイメージ
だったがそうでもないらしい。

社長「何飲まれますかな?」

常田「では、ウィスキーを」

「あ、自分も同じのを…」

そういうと、スタッフが持って来て
社長と話している。

社長はブランデーにしたらしい。
するとそのスタッフが声をかける。

スタッフ「はつきちゃん、こっちにブランデーの
ロックお願いできる?」

はつき「…はーい」

ん?この声…
そう思って見るが顔があまり見えない。

はつき「お待たせしました、
ブランデーのロックです」

酒を持ってきたスタッフに対し、
社長はお酒を勧める。

社長「…ありがとう。そういえば、
久しぶりだね。お酒一杯どうだい?」

はつき「申し訳ありません…
今少々お酒を控えてまして…
ノンアルコールでお相手させて頂いても?」

社長「もちろんだよ。」

はつき「ありがとうございます。」

社長「今日は新薬の事で先生方にお話しさせて
いただいてたんだ。もう少し話したいと思って、
私が無理やり連れてきたんだがね。」

はつき「貴重なお話の場に当店を選んでいただき
ありがとうございます。ごゆっくりお過ごし下さい」

小声で社長と話すこの女…
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