二人

一番普通の学校と違うって言って良いのは、校長の華池 誠一、通称:せいちゃん。

校長をあだ名で呼ぶなんて、さすが問題児…何て思うかもしれない。

でも、誤解しないで欲しい。

あくまでも、あだ名で呼ばせてるのはせいちゃん本人だから。


ちなみに俺のじいちゃんだったりする。





『入学当初は、凶暴な狼みたいだった君らも、この3年間、共に仲間と過ごし、共に教師と過ごし、今では、空を可憐に舞う鳳だ。狼に戻ってしまったなら、いつでもここに来なさい。鳳の姿にもどしてやるから』





いつもじいちゃんが卒業式に言う言葉らしい。

1・2年も卒業式に出席するから、自分の卒業式で3回目に聞くことになり、あきるかと思うが、それでも涙がでるのはじいちゃんの力だと思う。


この学校は大学進学がいないわけではないが、就職がほとんど。

卒業生みんな、このじいちゃんの言葉のお陰で、過去は忘れ、変わった自分を輝かせて頑張っているらしい。



だから、本当にこの学校のダチと校長だけは好きだ。

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